南米で最も大きな面積を有する「ブラジル」
広大すぎる土地の中で、アマゾンやイグアスに代表される大自然や大西洋に面する無数のビーチなどブラジルには魅力に満ちた観光スポットが溢れています。また、日本も含め、世界中から多くの移民によってもたらされた多種多様な文化の混在からその土地ならではの文化があることも魅力の1つです。このように、見どころ満載なブラジルに一度は訪れてみたいと思う人は多いのではないでしょうか？しかし、日本から遠く離れたブラジルは、文化や習慣が異なるため、現地での滞在を楽しむためには事前に知っておくべき点があります。
そこで今回は、ブラジルの文化や作法について、より深く掘り下げてご紹介します。ブラジルでの滞在を計画している方は、この機会に参考にしていただければと思います。
ブラジルってどんなところ？
【基本情報】
・国名 ブラジル連保共和国（Federative Republic of Brazil）
・首都 ブラジリア（Brasilia）
・人口 約2億1400万人（2021年）
・面積 851.2万㎢
・通貨 レアル（BRL）
・民族構成 欧州系約48％、アフリカ系約8％、東洋系約1.1％、混血約43％、先住民約0.4％
・宗教 カトリック約65％、プロテスタント約22％、無宗教8％
・時差 ブラジルは日本の－12時間。（ブラジルが正午の時、日本は翌日の午前0時となります。）
・言語 公用語はポルトガル語。多種多様な民族が暮らしていることから約100種類以上の言語がある。
【気候】
ブラジルには明確ではありませんが、四季があります。春は9月下旬～12月下旬、夏は12月下旬～3月下旬、秋は3月下旬～6月下旬、冬は6月下旬～9月下旬となります。このように日本とは真逆になります。四季はありますが、基本的に1年を通して暖かく、日本のように寒暖差はそれほど激しくはありません。朝晩は、冷え込むことがありますので夏以外の季節は羽織るものを持っておくと良いでしょう。特に冬は昼夜の寒暖差があるため厚手のコートがあると安心です。また、広大な国土を持つブラジルは地域によっても気候に異なりが見られます。そのため、地域によっても観光のベストシーズンにも違いがあります。北部では暑さの和らぐ冬、南部は温暖な春から秋がベストシーズンと言えるでしょう。
【ビザ】
ブラジルへの入国において、日本国籍の方は観光や短期商用の目的で滞在期間が90日以内である場合はビザなしで入国することができます。また、現地で90日の滞在延長も可能であり、約半年間はビザなしでの滞在が可能です。
【アクセス】
日本からブラジルへの直行便はなく、アメリカを経由して行く方法が最も一般的な方法になります。ダラスやヒューストンなどを経由して約24時間で行くことができます。
ブラジルの一般的なマナーや社会習慣
１ コミュニケーション方法
・ボディータッチが頻繁
ブラジルでは日本と比べて人との距離が非常に近い国です。親しい家族や友人なら頬に1、2回キスをしてハグをする程で、それほど親しくなくても頻繁にボディータッチをするので、慣れないうちはとても戸惑うことでしょう。ブラジルの人々にとって、肩や手、腕などに触れることは相手と良いコミュニケーションを保つための重要な習慣なのです。そして、公共の場でも愛情表現をすることが当たり前です。日本人はその環境に慣れず、異様に感じるかもしれませんが、ブラジルの人々にとっては当たり前の行為になります。
・楽観的な人が多い
他の国の人々とブラジルの人々の違いを挙げるとすれば、紛れもなく「楽観主義」なところと言えます。ブラジルには、「明日は今日よりもいい日」だと信じて毎日を楽しんでいる人が多くいるのか、少しの問題が起こっても、くよくよせずに楽しんで生活してそうな人が多いです。ブラジルの人々に会った際には、明るく元気に積極的に自己紹介をし、握手などを交わすといいでしょう。ブラジルでは、一人一人自己紹介をして会話をすることは、文化や習慣の基本の一つだと言えます。
・ブラジル流なコミュニケーション
ブラジルの人々はお互いとてもストレートに物を言う特性があります。非常にオープンでフレンドリー、そしてカジュアルな雰囲気で、冗談を混ぜながら楽しそうに会話を進めるのがブラジル流のコミュニケーションです。日本人にとっては、非常にコミュニケーション能力が高く、周りからの注目を集めるようなタイプの人というような印象を受けるのではないでしょうか。ちなみに、ブラジル人同士の会話では、相手が話していても普通に割り込んだりすることが良くあるようです。しかし、ブラジルでは基本的に失礼な行為にはならず、よくあることとして当たり前なことのようです。
・アイコンタクトが大切
ブラジルでは会話中のアイコンタクトを取り続けることが大切で、それが礼儀だとされています。アイコンタクトを取らないでいると、不気味に思われてしまい、何か隠し事をしているのかと疑われてしまいます。そのため、会話をする際は、しっかりと相手の目を見て話すように心掛けましょう。
2 生活においてのルール
・ブラジルでは6月が特別な月
6月には非常に多くのお祭りが開催され、クリスマスやカーニバルに次いでブラジルの人々が1年で最もうきうきする季節なんです。家族みんなで集まって祝ったり、通りでお祝い事が開催されるなど、あちらこちらで催しが行われます。旅行に行った際に、観光客も参加可能なイベントは沢山あるので、是非ブラジルの文化に触れる良い機会ですし、参加して楽しんでみてください。
・家族想い
ブラジルの人々は家族が大好きです。都心部以外に住んでいる人たちの多くは、他の親戚の近くに住んでいることが良くあります。週に一度は、親戚一同を合わせた大家族で集まって、食事を楽しんだりします。また、ビジネス面においても中小企業の多くは家族経営なんです。
・時間にルーズ
時間に厳しい日本人からすると、ブラジルの人々の時間の感覚はルーズに見えるかもしれません。待ち合わせに遅れてくるのは日常茶飯事。そのため、約束事には注意が必要です。日本人にとっての「すぐ行く」をブラジルでは「いつか行く」というように考えておいた方が良さそうです。
・招待には贈り物が基本
家に招かれたり、パーティーにお呼ばれされた時には、なんでも良いのでささやかな贈り物を持参するのがブラジルでは習慣です。招待されたことに対する感謝や敬意を表すための贈り物なので、高額なものである必要はなく、ワインやちょっとした花束を贈るので大丈夫です。ただし、喪に服する時の色である「黒」や「紫」のものは避けるようにしましょう。
・食べ物を素手でつかまない
日本ではサンドイッチやハンバーガー、ピザなどは普通に手で掴んで食べることが多いですが、ブラジルではフォークとナイフを使用して食べます。フォークやナイフがない時は、紙などを使い、直接食べ物に手を触れない人が多いです。
3 交通ルール
・電車
ブラジルでは電車や地下鉄のなかでの携帯電話の使用が自由なため、車内で大きな声で電話をしている人も多く見かけます。また、電車内での居眠りには注意しましょう。日本ほど治安が良い国ではないため、寝ている間に何か物を取られたりすることもあるかもしれません。
基本的に時刻表はないのが普通です。遅れる場合も早く出発する場合もあるというのがブラジルでは当たり前です。
・タクシー
タクシーではたいていの場合、お釣りがでません。そのため、利用時には細かいお金の用意が必須になります。
ブラジルの文化
1 カーニバル
音楽とダンスはブラジルにおいて非常に重要な文化となっています。そんなブラジルを象徴する音楽とダンスの伝統的なイベントと言えば、「カーニバル」です。毎年、四旬節（カトリック教会において、復活祭の46日前の水曜日から復活祭の前日までの期間）の始まりを祝うカーニバルは、4日間に渡って行われるブラジルの文化遺産といっても良いイベントです。カーニバル参加者は皆、派手なコスチュームを着て踊って歩きます。毎年100万人近い観光客が訪れ、華やかな宴を楽しみます。地元の人も観光客も共に大騒ぎする一大イベントに一度は訪れ、煌びやかなエンターテインメントを楽しんでみてください。
2 サッカー
ブラジルはサッカーを愛する国でも有名です。サッカーはブラジル文化の中で、非常に大きな位置を占めているといっても過言ではなく、ある意味ブラジルの人々のアイデンティティに繋がっているという言い方もできるでしょう。ブラジルの人々は子供の頃からサッカーボールに触れる機会があり、遊びと言えばサッカーというのが定番です。
3 独特な食文化
ブラジルの人々はブラジル料理をこよなく愛し、食べ物は彼らの日常生活において非常に重要です。多民族国家であるため、多様な文化が混じり、世界各国の料理を見つけることができます。さらに、各国の食べ物や先住民の食べ物が混ざり合ったブラジル独特の料理は、ブラジルの食文化を非常に独特なものにしています。ブラジル料理には、牛肉の他に豆、米などを使った料理が多く、濃いめの味付けが好んで食べられます。その中でも「フェジョアーダ」はブラジルの国民食と言えます。
ブラジルで素敵な思い出を作ろう！
いかがでしたか?
ブラジルは、その独特の文化、料理、人々を体験できる素晴らしい国です。滞在をより楽しくするためには、この国の一般的な習慣やエチケットに慣れることが重要です。少しの知識と意識で、ブラジルの文化を存分に体験することができるでしょう。
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