マダガスカルへの旅行前に知っておきたい現地の文化と習慣

アフリカ南東部沖に浮かぶ巨大な島国「マダガスカル」

マダガスカルには数千種類もの動物が生息しており、中でもキツネザルはこの島だけに生息する動物になります。他にも熱帯雨林、ビーチ、珊瑚礁などがあり、非常に自然豊かな国です。また観光スポットとして、『星の王子様』で有名な「バオバブの並木道」も有名で、沢山の見どころのある国として多くの人々から親しまれています。このように、魅力に満ちたマダガスカルに一度は訪れてみたいと思う人は多いのではないでしょうか?しかし、日本から遠く離れたマダガスカルは、文化や習慣が異なるため、現地での滞在を楽しむためには事前に知っておくべき点があります。

そこで今回は、マダガスカルの文化や作法について、より深く掘り下げてご紹介します。マダガスカルでの滞在を計画している方は、この機会に参考にしていただければと思います。



 

マダガスカルってどんなところ?


【基本情報】

・国名 マダガスカル共和国(Republic of Madagascar)
・首都 アンタナナリボ(Antananarivo)
・人口 2843万人(2021年)
・面積 587.295㎢(日本の約1.6倍)
・通貨 マダガスカル・アリアリ(MGA)
・民族構成 アフリカ大陸系、マレー系、部族は約18部族。
・宗教 キリスト教、伝統宗教、イスラム教
・時差 マダガスカルは日本の-6時間。(マダガスカルが正午の時、日本は午後6時となります。)
・言語 公用語としてマダガスカル語、フランス語。

【気候】

 マダガスカルの気候は、雨季と乾季に分かれています。11月~3月頃までが比較的気温が高く雨が多い雨季になります。この時期はインド洋で発生した大型のサイクロンが東部沿岸から上陸することがあり、洪水や土砂崩れなどの災害を招くため注意が必要です。それ以外の月は乾季になります。観光するには、天気の日が多い乾季が適しており、その中でも9、10月は日が長くなるため長い時間観光することができるでしょう。そして、マダガスカルでは地域によっても特徴は分かれています。東沿岸部では年中雨が多く、高温多湿の熱帯性の気候になります。そして、西側は乾燥しており、サバンナ草原が広がっております。中央部分は標高が高いため緯度が低い割には涼しく、1年を通して比較的温暖で乾燥した過ごしやすい気候です。

【ビザ】

マダガスカルに入国するにはビザが必要です。30日以内の短期滞在ビザであれば空港で取得することも可能です。

【アクセス】

日本からマダガスカルへの直行便は運航していません。タイのバンコクからアンタナナリヴ行きの便が、週に3便マダガスカル航空によって運航されています。所要時間はおよそ19~26時間で行くことができます。



 

マダガスカルの一般的なマナーや社会習慣

1 コミュニケーション方法

・控えめでオープンな優しいいマダガスカルの人々

マダガスカルの人々は控えめですが、オープンで優しくその行動スタイルはアジアの気質に近いと言われています。マダガスカルには、様々な地域の文化が混ざっており、地理的にはアフリカ大陸の近くにありますが、祖先はインドネシアやマレーシアから来ているアジア人なのです。そのため、顔もアジアに近い人が多く、なんと主食としてお米を沢山食べる点も似ています。そんなマダガスカルの人とのコミュニケーションは日本人にとって取りやすいかもしれませんね。マダガスカルに旅行に行った際には、マダガスカルの人々とコミュニケーションを取る機会があるかもしれません。そんな時は、恥ずかしがらずに挨拶をしてみましょう。すると、マダガスカルの人々もきっと心を開いてお話をしてくれるのでは!?

 

そこで、マダガスカルに行った際に覚えておくと便利な挨拶を紹介します。マダガスカルは、かつてフランスの占領下にあったことからマダガスカル語以外にフランス語も公用語となっています。

・「こんにちは」⇒「Manao ahoana」(マナオナ)「Salama」(サラ―マ)「Akory」(アクーリ)

「Miarahaba」(ミヤラハバ)

・「おはようございます」/「こんばんは」⇒「Manao ahoana」(マナオーナ)

・「はい」⇒「eny」(イェニー)

・「いいえ」⇒「tsia」(ツィア)

・「ありがとう」⇒「Misaotra」(ミサオtャ)

 

2 生活においてのルール

・ビジネスの形式はフランス式

マダガスカルでは、ビジネスになるとYes/Noをはっきりと言います。書類や公的な文書などはすべてフランス式になったため、マダガスカルではそんな詳細なことも書類に残すことが重視されています。また、部下を叱る時なども、顔を見て直接叱ることが多いですが、中には書面やメールで叱ることも多いのだとか。そういった面で、マダガスカルの人は書類などをシステマティックに管理するのが得意なようです。

・チップについて

マダガスカルには、チップを渡す習慣があります。ホテルのポーターやドアマンなどには500アリアリ程度、レストランでは伝票にサービス料が含まれていない場合は請求額の10%程度が基本です。

・置かれた環境に順応するのが基本

マダガスカルの民族衣装は全体的にアフリカスタイルで軽い服であり、温かい海側はアフリカの民族衣装ですが、高地に行くとスカーフを巻くなど、アジアに近い服になります。マダガスカルには「ムラムラ」という言葉があるのですが、これは「柔軟」という意味で、暖かければアフリカの服を着るし、寒ければアジアの服を着るといった与えられた環境に応じるのがマダガスカルでは基本です。アフリカの人達のなかにには日本に来ても自分達の価値観や生活スタイルを維持しようとする人もいますが、マダガスカルの人は与えられた環境に順応するのです。

・早寝早起きの習慣

マダガスカルでは、自然と早寝早起きが習慣になります。この国の電化率は16%と電気のない生活を当たり前のものとして暮らしている人が多くいるのです。首都でも最低限の明かりしかないため、自然と早寝早起きの習慣になります。毎朝6時になると、朝日と鳥のさえずりで目が覚め、夕方17時には日の入りとなり、鳥たちが巣に戻ると、辺りは真っ暗になります。そのため、活動するのは明るいうち、日が沈めば辺りは真っ暗になるため、身動きをとるのは危険となります。これは、地方に行くほどはっきりとしており、太陽の動きとともにある規則的な生活リズムとなっています。

 

3 交通ルール

・交通事故には気をつけて

マダガスカルでは各種インフラ整備が進んでいないため、道路の整備にも行き届いておらず、デコボコ道が続いています。実際に、首都から地方へと早朝に出発しても首都に帰り着くのは日が暮れた後だそうです。もしマダガスカルで運転する際には、整備されていない道路状況や電気のなさから見通しが悪いなど交通事故を引き起こしかねない原因が多くあるため、十分に気をつけるようにしましょう。また、観光の際には、安全確認を十分に行うようにし、歩きながらスマホを使ったり、よそ見をしながら歩くことは、極力避け、常に周囲に気を配るように心がけてください。また、車の多いところでは十分に注意して道路を横断するようにしましょう。

 



 

マダガスカルの食文化

マダガスカルの料理は、香料やスパイスを使用せず、素材の味をいかしたシンプルな味付けになります。そして、マダガスカルでは食堂のことを「ホテリ」と言い、食事のことを「サカフ」と言います。さらに、主食のことを「ヴァリ」、おかずのことを「ロカ」と言ったりします。お米を沢山食べる点は東南アジアに似ているかもしれません。典型的な食卓には、たくさんのファリ(ごはん)、ラサリ(サラダ)、サカイ(唐辛子ペースト)、ラヌフラ(おこげ茶)の全部または一部が並びます。

そこで、マダガスカルの代表的な料理を3選紹介します!

1 ロマザバ

マダガスカルの国民食「ロマザバ」

米と付け合わせて食べるシチューのようなものになります。マダガスカルでは、肉はズブという牛の仲間の肉を使用し、緑葉野菜はアマナニーという植物を使います。この料理はフランス領になる前から伝統的に食べられている料理であり、マダガスカルでは様々な種族がいるなかで、地域や家庭によって使う野菜や香辛料が異なったりします。

 

2 ラビトゥトゥ

キャッサバの葉を使った料理「ラビトゥトゥ」

キャッサバの葉を叩いて細かくしたもので、コンゴ民主でソンべと呼ばれる料理と同じものになります。ラビトゥトゥは豚肉と絡め煮にして、ラビトゥトゥヘナキスアにしていただくのが定番です。もちろんこれをご飯にあわせていただくのが基本であり、マダガスカルの人々に言わせると、「これぞマダガスカルの郷土料理!」と言うようですよ。

 

3 ミサオ

炒めスパゲティ―の料理「ミサオ」

炒めスパゲティー全般をさす料理名のようですが、圧倒的に多いのが、カレー粉で風味をつけ、少々の野菜入り炒めスパゲティ―になります。塩味はしっかりとついており、カレー風味が非常に美味しく感じます。上に青ネギがかかっていて、これまた青ネギが良い役割をしているので美味しいですよ。そして、おそらく名前はベトナム語のMi xao(麺を炒める)、あるいはそれに類似した東南アジアの言語に名前が由来すると思われます。

 



マダガスカルで素敵な思い出を作ろう!

いかがでしたか?

マダガスカルは、その独特の文化、料理、人々を体験できる素晴らしい国です。滞在をより楽しくするためには、この国の一般的な習慣やエチケットに慣れることが重要です。少しの知識と意識で、マダガスカルの文化を存分に体験することができるでしょう。

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