チュニジア南部にあるタタウィン。
サハラ砂漠に属する小さな町ですが、知る人ぞ知る場所です。
名前に聞き覚えがある方もいるかもしれません。
そう、ここタタウィンは、映画スター・ウォーズシリーズに登場する架空の惑星タトゥイーンの名前の由来になった場所です。
チュニジア南部にはいくつかスター・ウォーズのロケ地があり、ファンにはたまらない聖地となっています。
そのうちのひとつが、タタウィンから車で30分のクサールウレドスルタンです。
クサールウレドスルタン
クサールとはベルベル人の集合住宅のこと。
住居や穀物庫、キッチン、集会場など共同生活を支えるさまざまな施設があります。
クサールウレドスルタンはすでに廃墟となっていますが、この異世界のような場所にある風変わりな住居がスター・ウォーズエピソード1の奴隷住居として使われました。
映画の雰囲気そのままで、今にも穴からアナキンやジャージャーが飛び出してきそうです。
厳しい暑さと風の対策のために、頑丈な土が使われ、入り口は小さく作られています。
ですのね蜂の巣のような独特な建築物となっています。
タタウィンに来る前に同じ形の元クサールのホテルに宿泊したのですが、中はとても涼しく、布団をかけないと寒いほどでした。
階段や通路の設置基準がわからなく、部屋によってはどうやって行くのかがわかりません。
迷路のような建物ですので、鬼ごっこしてみたくなりました!
天空のクサール、シェニニ
タタウィン周辺には多くのクサールがありますが、特に壮大なのがシェニニです。
このクサールは敵の襲撃に備えて山の上に建てられました。
スルタンは絵本に出てきそうな可愛らしい姿でしたが、シェニニは力強く、ゲームの世界に登場するような城のような雰囲気です。
緩やかな坂道を登ると集落内部を見学することができます。
歩いていると洗濯物やラクダ、人々の姿が見えます。
シェニニには今でも人々が暮らしており、現在は約50世帯が住んでいます。
モスクや小さな商店もあります。
若者を見かけることがなく、おじいちゃんおばあちゃんがほとんどでした。
日本で言うところの限界集落に近いかもしれません。
クサールは自然美と建築美が見事に融合しており、どこも見どころが満載です。
すでに廃墟となってしまったクサールもありますが、シェニニのように過去と現在を繋ぐクサールもまだ残っています。
あとどれくらい続くかわからない伝統的な暮らしに触れられた貴重な体験でした。
Writer
Mamo
世界中の動物に会いに行く旅人。海外52ヶ国、国内47都道府県訪問。幼い頃に「サバンナでアフリカゾウを見たい」という夢を持ち、大学生の時タンザニアにて初サファリに参加。そこから動物を観察する旅に熱中し、これまで100を超える国立公園、動物園、動物関連施設にて動物観察を行う。世界一周経験者。