マダガスカル東部トアマシナ。
首都アンタナナリボにつぐマダガスカル第2の都市であり、マダガスカル国内最大の港があるためとても活気のある街です。
ここには国際NGOが運営する動植物園があります。
イブルイナ動植物園をご紹介します。
マダガスカルの暮らし
マダガスカルの東部トアマシナ(Toamasina)市内から車で約1時間。
イブルイナ動植物園は街を抜け、集落を抜けた先にあります。
市内の栄えている街から一変、まるで縄文時代のような高床式の家々が並ぶその集落では、砂利の加工を生業としているようでした。
子供から老人まで石を砕いています。
マダガスカルの暮らしを目の当たりにしながら集落を抜けると、動植物園が見えてきました。
Park Ivoloina
イブルイナ動植物園(Park Ivoloina)はマダガスカル野生動植物保護グループ(Madagascar Fauna and Flora Group 略称MFG)が運営をしている施設です。
MFG は、マダガスカルの野生動植物保全を目的とする国際NGOで、マダガスカルの貴重な動植物を守るため、現地や学校、動物園などと連携して保全活動をおこなっています。
約280haもある敷地の中には動物園の他にも、保全研究のための森林や、環境教育のための施設などが併設されています。
自分達で回る事もできますが、今回はガイドさんをお願いしました。
早速ツアー開始!と思いきや、ガイドさんはまず森の中に入っていきました。
ガイドさんが持ってきたのはクローブの葉っぱ。
マダガスカルはバニラビーンズや、クローブ、シナモンといったスパイスの生産地としても有名で、日本にもマダガスカル産のスパイスが多く入ってきています。
イブルイナ動植物園の生き物たち
何気なく木々を見ていると動く影が。キツネザルです!
園内のキツネザルの種類はなんと10種類。多様で貴重なキツネザルを一気に見ることができます。
一部のキツネザルは放し飼いにされていて、公園内を自由に駆け回る姿は見ていてワクワクしました。
もちろん両生類や爬虫類も展示されています。
マダガスカル固有のヘビや、トマトカエル、パンサーカメレオンなどを飼育しています。
中でもホウシャガメの数には驚きました。
マダガスカルの生き物はその珍しさゆえにペットとして違法に取引されることもしばしば。
ここはそんな違法に飼育されたペット等を保護し、飼育する公的施設としても機能しているそうです。
マダガスカルの生き物として有名なアイアイもいましたが、夜行性のため今回は残念ながら見ることができませんでした。
実はこのアイアイですが、上野動物園がMFGと提携を組んでいて、上野動物園でも見ることができます。
また大阪のNIFRELではバニラアイスクリームを食べることでMFGに寄付される仕組みになっていたりと、日本のいくつかの動物園と繋がりのある施設になっています。
こんなに遠いマダガスカルと日本が動物園を介して繋がっているというのはなんだか素敵に感じます。
気持ちのいい園内
園の中には湖もあり、穏やかな湖畔の風景を楽しむこともできます。
敷地がかなり広くマダガスカルの中でも比較的、整備されていて、公園としても心地のいい時間を過ごせる場所になっています。
今回私は日帰りで動植物園のみを見学しましたが、園内には宿泊施設もあるほか、ガイドさんをお願いして森林のトレッキングもできるようです。
マダガスカルの生き物の歴史や自然の魅力を感じるには良い場所だと思います。
ぜひ行ってみてください!
Writer
ずん
自然と動物が好きな旅人。夢は世界中に生き物の生息地である森を増やすこと。野生の生き物の美しさに感動し、初めてのひとり旅はコモドドラゴンを見にコモド島へ。新しい冒険のような旅が好き。